概要

芸術・文化・エンターテイメント

この分類体系は、UNESCO(国際連合教育科学文化機関)が2009年に策定した「文化統計のための枠組み(FCS: Framework for Cultural Statistics)」に基づいています。6つの中核文化領域(文化遺産・自然遺産、パフォーマンス・祝祭、視覚芸術・工芸、図書・出版、音声視覚・インタラクティブメディア、デザイン・クリエイティブサービス)と、横断的領域、関連領域から構成され、国際的な文化統計の標準として広く採用されています。

UNESCO 文化統計 芸術分類 文化遺産 エンターテイメント クリエイティブ産業
コード スラッグ 名称 概要 subcategories
A cultural-and-natural-heritage 文化遺産・自然遺産 博物館、考古学的・歴史的遺跡、文化景観、自然保護区などの文化遺産と自然遺産を含む領域です。 [{"code":"A1","name":"博物館"},{"code":"A2","name":"考古学的・歴史的遺跡"},{"code":"A3","name":"文化景観・自然遺産"},{"code":"A4","name":"動植物園・水族館"}]
B performance-and-celebration パフォーマンス・祝祭 演劇、音楽、舞踊、フェスティバルなどの舞台芸術と祝祭活動を含む領域です。 [{"code":"B1","name":"演劇・舞踊"},{"code":"B2","name":"音楽"},{"code":"B3","name":"フェスティバル・祝祭"},{"code":"B4","name":"サーカス・大道芸"}]
C visual-arts-and-crafts 視覚芸術・工芸 絵画、彫刻、写真、伝統工芸など視覚的な芸術表現を含む領域です。 [{"code":"C1","name":"絵画・彫刻"},{"code":"C2","name":"写真"},{"code":"C3","name":"伝統工芸"},{"code":"C4","name":"現代工芸・デザイン工芸"}]
D books-and-press 図書・出版 書籍、新聞、雑誌の出版と図書館サービスを含む領域です。 [{"code":"D1","name":"書籍出版"},{"code":"D2","name":"新聞・雑誌"},{"code":"D3","name":"図書館"},{"code":"D4","name":"文学活動"}]
E audiovisual-and-interactive-media 音声視覚・インタラクティブメディア 映画、テレビ、ラジオ、ゲーム、デジタルメディアなどを含む領域です。 [{"code":"E1","name":"映画・映像"},{"code":"E2","name":"ラジオ・テレビ"},{"code":"E3","name":"ゲーム"},{"code":"E4","name":"デジタルメディア・ストリーミング"}]
F design-and-creative-services デザイン・クリエイティブサービス ファッション、グラフィック、インテリア、建築デザインなどの創造的サービスを含む領域です。 [{"code":"F1","name":"ファッションデザイン"},{"code":"F2","name":"グラフィックデザイン"},{"code":"F3","name":"インテリア・建築デザイン"},{"code":"F4","name":"広告・クリエイティブサービス"}]
G intangible-cultural-heritage 無形文化遺産 コミュニティによって遺産として認識される慣行、表現、知識、技術を含む横断的領域です。 [{"code":"G1","name":"口承伝統・表現"},{"code":"G2","name":"社会的慣行・儀礼・祝祭"},{"code":"G3","name":"自然と宇宙に関する知識"},{"code":"G4","name":"伝統的工芸技術"}]
H tourism-and-recreation 観光・レクリエーション 文化的側面を持つ旅行・観光と、スポーツ・レクリエーション活動を含む関連領域です。 [{"code":"H1","name":"文化観光"},{"code":"H2","name":"芸術イベント観光"},{"code":"H3","name":"スポーツ・レクリエーション"}]

芸術・文化・エンターテイメントの分類体系は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が2009年に策定した「文化統計のための枠組み(Framework for Cultural Statistics: FCS)」を基盤としています。この枠組みは、世界の各国が文化に関する統計データを収集・比較するための国際標準として広く採用されており、6つの中核文化領域と複数の横断的・関連領域から構成されています。

6つの中核文化領域は、文化遺産・自然遺産、パフォーマンス・祝祭、視覚芸術・工芸、図書・出版、音声視覚・インタラクティブメディア、デザイン・クリエイティブサービスです。これらの領域は「文化サイクル」という概念に基づいて整理されており、創造、生産、普及、展示・受容・伝達、消費・参加という一連のプロセスを通じて文化価値が生み出され流通する仕組みを捉えています。

無形文化遺産は横断的領域として位置づけられ、口承伝統、演劇、社会的慣行・儀礼・祝祭、自然に関する知識、伝統的工芸技術の5つの分野を含みます。2003年のUNESCO無形文化遺産保護条約に基づき、人類の文化的多様性の尊重と創造性の保護を目的としています。また、観光・レクリエーションは関連領域として分類され、文化観光や芸術イベントへの参加など、文化的側面を持つ活動を含みます。

この分類体系は、統計的な測定のための国際標準分類(ISIC、CPCなど)との対応関係も明確にしており、各国の文化政策立案やクリエイティブ産業の経済的貢献の測定に広く活用されています。デジタル技術の発展により、メディアの境界が曖昧になる中でも、文化の本質的な価値を捉えつつ、現代的な文化活動を適切に分類する枠組みとして、今後も重要な役割を果たすことが期待されています。