血液型と性格の俗説は、A型・B型・O型・AB型の4つの血液型に基づいて人の性格や気質を分類する民間的な信念体系です。この学説は1927年に日本の心理学者・古川竹二によって提唱され、以来、日本を中心に東アジア各国で広く知られるようになりました。
各血液型に対する性格イメージは、A型が「几帳面で慎重」、O型が「おおらかでリーダー気質」、B型が「自由奔放で創造的」、AB型が「冷静で合理的」とされるのが一般的です。これらの特徴は、古川竹二の当初の研究を基に、後世の著者やメディアによって発展・変容してきました。特に1971年の能見正比古の著書『血液型でわかる相性』のベストセラー化をきっかけに、日本社会に深く浸透していきました。
しかしながら、現代の科学界ではこの理論は「疑似科学」として扱われています。東京大学を含む複数の研究機関による大規模調査でも、血液型と性格の間に統計的に有意な相関は認められていません。人の性格は数百の遺伝子と環境要因が複雑に関与して形成されるものであり、血液型を決定する単一の遺伝子が性格に直接影響を与えるという科学的根拠は存在しません。
この俗説が長く続いている理由として、バーナム効果(曖昧な記述が誰にでも当てはまるように感じられる心理現象)や自己成就予言(信じることでそのように振る舞うようになる現象)が挙げられます。また、人を簡単に分類できるという認知的な快適さも、広まりの一因となっています。一方で、職場での採用差別や恋愛での偏見など、「ブラッドハラスメント(血液型ハラスメント)」と呼ばれる社会問題も生じており、注意が必要です。