債券とは、国、地方公共団体、企業などの発行体が投資家から資金を借り入れるために発行する証券のことを指します。株式が企業の所有権を表すのに対し、債券はあくまで「貸付証券」としての性質を持ち、元本の返済と利息の受取権を有する金融商品です。債券投資は、定期的な利息収入と、償還時における元本の返済を期待できる比較的安定した投資手法として知られています。
債券の最も基本的な分類は発行体による区分です。まず、国が発行する「国債」は最も信用性が高く、日本においては財政法に基づき発行されます。国債には個人投資家向けの個人向け国債、2年や5年の中期国債、10年の長期国債、20年、30年、40年の超長期国債などがあります。次に、都道府県や市町村などの地方公共団体が発行する「地方債」は、公共施設の建設や整備資金を調達する目的で発行され、総務大臣などの許可を必要とします。2026年現在、一部の地方債では10年物で利率が2%を超えるなど、国債よりも高い利回りが魅力となっています。
一方、民間企業が発行する「社債」は、事業資金の調達を目的としています。社債には普通社債のほか、株式への転換が可能な転換社債型新株予約権付社債(CB)などがあります。企業の信用力(格付)によって利回りが異なり、格付が高いほど利回りは低くなります。また、特別の法令に基づいて金融機関が発行する「金融債」や、政府関係機関が発行する「特別債」も重要な区分です。特別債は政府が元本と利子の支払いを保証しているため、国債に準ずる安全性を持っています。
債券の収益性は「リスクとリターンのトレードオフ」の関係にあります。最も安全性が高い国債は利回りも低めで、地方債、金融債、社債と進むにつれてリスクが高まる分だけ利回りも高くなる傾向があります。また、外貨建ての外国債には為替変動リスクが伴いますが、その分高利回りが期待できる場合もあります。債券投資を検討する際は、投資目的、許容できるリスク、投資期間、金動向などを総合的に判断し、自分に適した債券の種類を選択することが重要です。ポートフォリオに複数の種類の債券を組み入れることで、リスク分散を図ることも可能です。