市民権、すなわち国籍の取得方式は、大きく分けて「出生地主義」と「血統主義」の2つの原則に基づいています。これらの原則は、各国の法的伝統や歴史的背景、移民政策によって採用されており、現代の国際社会において重要な意味を持っています。
出生地主義(jus soli)は、子供が生まれた場所に基づいて国籍を付与する方式です。イギリス普通法に由来し、アメリカ、カナダ、ブラジルなどアメリカ大陸の多くの国々で採用されています。この方式の最大の利点は、無国籍状態を効果的に防ぐことができる点です。親の国籍に関係なく、国内で生まれた子供は自動的にその国の国民となります。一方で、近年では「出産ツーリズム」と呼ばれる現象が問題視されており、一部の国では制限が加えられる傾向にあります。
血統主義(jus sanguinis)は、親の国籍に基づいて子に国籍を付与する方式です。ローマ法に由来し、日本、ドイツ、イタリアなどヨーロッパやアジアの多くの国々で採用されています。この方式は、民族的アイデンティティや文化的連続性を重視する観点から支持されています。しかし、親が無国籍である場合や、国外で生まれた子供が親の国籍を取得できない場合には、子供も無国籍になるリスクがあります。
現代の多くの国々は、これらの原則を組み合わせた混合制度を採用しています。例えば、日本は基本的に血統主義を採用していますが、父母不明や無国籍の場合には出生地主義的な要素も取り入れています。また、ドイツは2000年の法改正により、条件付きで出生地主義的要素を導入しました。こうした動きは、グローバル化が進む中での人の移動の多様化に対応するためのものです。
帰化は、出生による国籍取得とは異なる重要な取得方式です。一定の居住期間やその他の要件を満たした外国人が、意思表示と行政手続きを経て国籍を取得するものです。各国の国籍法に基づき、法務大臣や裁判所の許可が必要となる場合が一般的です。