主要な格付け機関として知られる「ビッグスリー」は、S&Pグローバル・レーティングス、ムーディーズ・レーティングス、フィッチ・レーティングスの3社で構成されています。これらの機関は、企業や政府の債務返済能力を専門的に評価し、投資家に対して信用リスクを示す格付けを付与しています。格付けは債券の金利決定やポートフォリオ管理に直接使用され、金融機関の規制要件においても重要な指標となっています。
S&Pグローバル・レーティングスは1860年の創業でビッグスリーの中で最も歴史があり、ムーディーズは1909年に債券格付けの先駆けとして設立されました。フィッチ・レーティングスは1914年に創業し、他の2社に比べ規模は小さいものの、独自の視点から評価を行うことで市場に多様性をもたらしています。これらの機関は全世界に拠点を持ち、数十兆ドル規模の証券を対象に格付けを行っています。
格付けスケールは各社で若干の違いがありますが、基本的な構造は共通しています。最高格付け(S&PとフィッチでAAA、ムーディーズでAaa)から投資適格(BBB-/Baa3以上)を経て、投機的格付け(BB+/Ba1以下、いわゆるジャンク債)へと続き、最終的には債務不履行(DまたはC)に至ります。2008年の金融危機では、これらの機関が構造化商品に対して過大評価を行ったことが問題視されましたが、現在も金融市場における重要なインフラとして機能し続けています。
近年では、気候変動リスクやESG(環境・社会・ガバナンス)要素を格付けに組み込む動きが進んでおり、単なる財務分析を超えた包括的なリスク評価が求められています。格付け機関の判断は、国の経済政策や企業の資金調達コストに直接影響を与えるため、その役割と責任はますます重要になっています。