概要

結晶構造の種類

結晶構造は、その対称性に基づいて7つの晶系(立方晶系、六方晶系、正方晶系、三方晶系、斜方晶系、単斜晶系、三斜晶系)に分類されます。さらに格子点の配置を考慮すると、14種類のブラベー格子が定義されます。立方晶系は最も対称性が高く、三斜晶系は最も対称性が低い構造です。この分類体系は、材料科学や結晶学において結晶構造を体系的に理解するための基礎となっています。

結晶学 材料科学 ブラベー格子 晶系 対称性 固体物理
コード スラッグ 名称 概要 axialAngles bravaisLattices examples latticeParameters symmetry
1 cubic 立方晶系 最も対称性が高い結晶系で、3つの等しい軸が互いに直角をなす構造です。 α = β = γ = 90° ["cP","cI","cF"] ["食塩(NaCl)","ダイヤモンド","金","銅","鉄","蛍石","黄鉄鉱"] a = b = c highest
2 hexagonal 六方晶系 6重対称軸を持つ結晶系で、底面が60度の菱形をなす構造です。 α = β = 90°, γ = 120° ["hP"] ["黒鉛","亜鉛","ベリル","燐灰石","磁鉄鉱"] a = b ≠ c high
3 tetragonal 正方晶系 4重対称軸を持つ結晶系で、底面は正方形で高さが異なる構造です。 α = β = γ = 90° ["tP","tI"] ["ジルコン","ルチル(TiO₂)","錫(β-錫)"] a = b ≠ c high
4 trigonal 三方晶系 3重対称軸を持つ結晶系で、菱面体形状の単位胞を持つ構造です。 α = β = γ ≠ 90° ["hR"] ["石英","方解石","コランダム(ルビー、サファイア)","電気石"] a = b = c high
5 orthorhombic 斜方晶系 3つの軸が互いに直角をなすが、長さが異なる結晶系です。 α = β = γ = 90° ["oP","oC","oI","oF"] ["黄玉","硫黄","オリビン","霰石","バライト"] a ≠ b ≠ c medium
6 monoclinic 単斜晶系 1つの軸が他の2軸に対して斜めに交わる結晶系です。 α = γ = 90°, β ≠ 90° ["mP","mC"] ["石膏","輝石","正長石","雲母","アズライト"] a ≠ b ≠ c low
7 triclinic 三斜晶系 最も対称性が低い結晶系で、3つの軸が互いに異なる角度で交わる構造です。 α ≠ β ≠ γ ≠ 90° ["aP"] ["藍晶石","微斜長石","曹長石","ターコイズ"] a ≠ b ≠ c lowest

結晶構造は、原子や分子が規則正しく配列した固体の内部構造を指します。結晶はその対称性の特徴に基づいて分類され、7つの晶系と14種類のブラベー格子という体系的な分類が存在します。この分類は、フランスの物理学者オーギュスト・ブラベーによって1849年に確立され、現代の材料科学や結晶学の基礎となっています。

7つの晶系は、対称性の高い順に立方晶系、六方晶系、正方晶系、三方晶系、斜方晶系、単斜晶系、三斜晶系に分類されます。立方晶系は3つの格子定数が等しく、すべての軸角が90度という最も高い対称性を持ち、食塩やダイヤモンド、金などがこの構造を示します。一方、三斜晶系は3つの格子定数も軸角もすべて異なり、最も低い対称性を持つ結晶系です。

ブラベー格子は、格子点の配置(単純、底心、体心、面心)を考慮して定義される14種類の空間格子です。結晶系と格子点の配置を組み合わせることで、結晶の持つ並進対称性を完全に記述することができます。特に斜方晶系は4種類のブラベー格子を持ち、最も多様な格子構造を示します。この分類体系は、X線回折による結晶構造解析や、物性予測において不可欠なツールとなっています。