概要

ダムの種類

ダムは主にコンクリートダムとフィルダムの2大分類に分けられ、さらに水圧の支え方や材料の違いによって細分化されます。重力式、アーチ式、ロックフィルなど、建設場所の地形や地盤条件に応じて最適な型式が選定されます。日本では重力式コンクリートダムが最も一般的で、約90%を占めています。

ダム 重力式ダム アーチ式ダム ロックフィルダム 土木工学 水資源
コード スラッグ 名称 概要 examples material
G gravity-concrete-dam 重力式コンクリートダム ダム自体の重みで水圧を支える最も一般的な型式です。 宮ヶ瀬ダム、葛野川ダム、佐久間ダム、桂沢ダム、定山渓ダム コンクリート
HG hollow-gravity-concrete-dam 中空重力式コンクリートダム 重力式の内部を空洞化しコンクリート量を節約した型式です。 金山ダム コンクリート
A arch-concrete-dam アーチ式コンクリートダム アーチ型に湾曲させ、水圧を両岸の岩盤に分散させて支えます。 鳴子ダム、水殿ダム、新豊根ダム、豊平峡ダム コンクリート
GA gravity-arch-concrete-dam 重力式アーチコンクリートダム 重力式とアーチ式の両方の特徴を備えた複合型式です。 黒檜山ダム、大津呂ダム コンクリート
B buttress-dam バットレスダム 遮水板をバットレス(擁壁)で支える構造のダムです。 笹流ダム、大町ダム コンクリート
R rockfill-dam ロックフィルダム 岩石を積み上げ、内部または表面に遮水壁を設けたダムです。 南相木ダム、漁川ダム、十勝ダム、日中ダム 岩石・砂利・砂
RF asphalt-facing-rockfill-dam アスファルトフェイシングフィルダム 貯水池側の表面にアスファルトで遮水壁を設けたロックフィルダムです。 双葉ダム、美利河ダム 岩石・アスファルト
E earthfill-dam 均一型フィルダム(アースダム) ほぼ同質の土や岩を積み重ねて作る最も歴史のある型式です。 幕別ダム、多くのため池 土・砂
C combined-dam コンバインダム(複合ダム) 2種類以上の形式を組み合わせた複合型のダムです。 美利河ダム、忠別ダム コンクリートと岩石・砂など

ダムは主に「コンクリートダム」と「フィルダム」の2大分類に分けられ、さらに水圧の支え方や材料の違いによって細分化されます。建設場所の地形や地盤条件に応じて最適な型式が選定され、それぞれの特徴を活かした設計が行われます。

重力式コンクリートダムは日本で最も一般的な型式で、ダム自体の重みで水圧を支える構造です。横から見ると三角形の形状をしており、基礎地盤に適度な強度があれば建設が可能です。設計が比較的簡単で地震に対する安全性も高い一方、大量のコンクリートを使用し工期が長くなるのが特徴です。宮ヶ瀬ダムや佐久間ダムなどがこの型式に該当します。

アーチ式コンクリートダムは水圧を両岸の岩盤に分散させて支える構造で、コンクリート量が重力式の約3分の1で済む経済的な型式です。しかし、強固な岩盤が必要なため建設可能な地点が限定されます。ロックフィルダムは岩石を積み上げて造るダムで、比較的軟弱な地盤でも建設できる利点があります。

近年では、複数の形式を組み合わせたコンバインダムや、コンクリート量を節約した中空重力式ダムなど、多様な型式が開発されています。これらの技術の発展により、より広範囲の地形条件に対応したダム建設が可能になっています。