デューイ十進分類法(DDC)は、1876年にアメリカの図書館学者メルヴィル・デューイによって考案された図書分類システムです。現在では世界135カ国以上、20万館以上の図書館で採用されており、最も広く使用されている図書分類法として知られています。アラビア数字のみを使用した十進法による分類は、言語の壁を超えて理解しやすく、世界標準として機能しています。
この分類法の基本構造は、人類のあらゆる知識を10の主類に大別することから始まります。000番台のコンピュータサイエンス・情報・総記から900番台の歴史・地理まで、各主類はさらに10の綱に細分化され、各綱は10の目に分けられます。この階層構造により、資料の主題を3桁以上の数字で表現し、必要に応じて小数点以下でさらに詳細な分類が可能となります。この「相対位置」の概念は、従来の固定的な配架方法を革新し、主題別に資料を組織化することを可能にしました。
デューイ十進分類法の実用性は、図書館利用者と司書の双方にとって大きな利点があります。利用者は数字による直感的なシステムにより、目的の資料を効率的に探し出すことができます。例えば、500番台に行けば自然科学の本が、800番台に行けば文学作品が見つかるという明確さがあります。司書にとっては、新しい資料を適切な場所に配架する際の標準化された基準となり、蔵書管理の効率化に貢献します。
現代においては、OCLCによってWebDeweyとしてオンライン版が継続的に更新されており、新しい学問分野や技術の発展にも対応しています。2017年以降は印刷版の定期刊行を終了し、デジタル環境での即時更新が可能となりました。人工知能、気候変動、ジェンダー研究など、時代とともに変化する知識領域に対応するため、分類体系は絶えず見直されています。
デューイ十進分類法は、日本十進分類法(NDC)をはじめとする世界各地の図書分類法にも影響を与えており、知識の組織化における国際的な基盤として重要な役割を果たしています。デジタル時代においても、情報の体系的な整理と検索の基本原理として、その価値は変わることがありません。