環境教育とは、環境保全に関する知識の習得、環境問題への関心と理解の深化、そして環境に配慮した行動や意思決定能力の育成を目的とした教育活動です。1972年にイギリスの教育学者アーサー・ルーカスが提唱した「環境についての教育」「環境の中での教育」「環境のための教育」の3つの柱を基盤に、世界各国で発展してきました。
日本では2003年に「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」が制定され、環境教育の推進が法的に位置づけられました。この法律は2012年に改正され、環境保全活動や協働取組の推進も含めた包括的な枠組みとなりました。そして2024年5月には、気候変動等の危機に対応するため、個人の意識や行動変容と組織や社会経済システムの変革を連動的に支え促すことを目的として、基本方針の改定が閣議決定されました。
環境教育は、学校、地域、企業など様々な場で実施されています。学校では、学習指導要領における環境に関する内容の充実や、GIGAスクール構想によるICT活用が推進されています。地域では、自治体やNPO、市民団体が主導する自然観察会や清掃活動、環境イベントが行われています。企業では、従業員の環境意識向上や環境マネジメントのための教育が実施されています。
持続可能な開発のための教育(ESD)は、環境教育を含む包括的な教育アプローチとして、2005年から2014年の「国連持続可能な開発のための教育の10年」を経て、現在は「ESD for 2030」枠組みの下で推進されています。SDGsの達成に貢献するものとして、グローバルな課題意識と地域の実践を結びつける学びが特徴です。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、環境教育はますます重要な役割を担っています。