地球上にはかつて数え切れないほどの生物が存在していましたが、人間活動や気候変動の影響により、多くの種が姿を消しました。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストには、絶滅(EX: Extinct)と判定された動植物が多数記録されています。これらの生物が絶滅した原因を理解することは、現在生きている生物を守るための重要な第一歩となります。
絶滅した動物の中でも特に有名なのは、モーリシャス島に生息していたドードー鳥です。飛べない鳥であったドードーは、1600年代にオランダ人が島に入植した後、わずか約40年で絶滅しました。人間による乱獲だけでなく、人間が持ち込んだブタやネズミなどの外来種による卵や幼鳥の捕食、森林伐採による生息地破壊が重なった結果です。また、フクロオオカミ(タスマニアタイガー)は、羊を襲う害獣とみなされて懸賞金がかけられ、徹底的に駆除された末に1936年に絶滅しました。最後の個体が死亡した9月7日は現在「絶滅危惧種の日」として定められています。日本固有のニホンオオカミも、明治時代に入り外国の犬から伝染した病気や、山の開拓による生息地の減少により1905年に絶滅しました。
植物においても絶滅は進行しています。古代ローマ時代に薬用や食用として高い価値があったシルフィウムは、過度な採取と砂漠化により紀元前に絶滅しました。日本では、コシガヤホシクサやシビイタチシダなどの固有種が野生絶滅に追い込まれました。しかし、これらの植物は筑波実験植物園などでの保全活動により、増殖や野生復帰の試みが進められており、絶滅からの再生の可能性を示しています。
これらの絶滅事例に共通するのは、人間活動が大きな影響を与えているという点です。乱獲、生息地の破壊、外来種の持ち込み、環境汚染など、人間の行動が生物の生存を脅かしています。現在も毎年、新たな種が絶滅の危機に瀕し、中には実際に絶滅してしまう種も存在します。生物多様性の喪失は、生態系の崩壊につながり、最終的には人間社会にも深刻な影響を与えます。絶滅した動植物の歴史を学び、現在生きている生物を守るための行動を取ることが、私たちの重要な責務です。