日本国憲法第3章には、国民が享有する基本的人権が定められています。これらの人権は、国家と個人の関係性に基づいて体系的に分類することができます。主な分類としては、国家からの干渉を排除する「自由権」、差別の禁止を求める「平等権」、国家の積極的な給付を求める「社会権」、政治参加を可能にする「参政権」、そして権利の救済を保障する「請求権」があります。
自由権は「国家からの自由」とも表現され、思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由など、国家権力による制約を受けずに個人が自由に意思表明できる権利を指します。一方、社会権は「国家による自由」と表現され、生存権や教育を受ける権利、勤労の権利など、人間としての最低限度の生活を保障するために国家に積極的な配慮を求める権利です。
時代の変化とともに、憲法制定当時には想定されていなかった「新しい人権」も主張されるようになりました。プライバシー権は最高裁判所の判例によって確立され、知る権利や環境権、自己決定権なども学説上議論されています。これらの権利は、憲法第13条の幸福追求権を根拠として包括的に保障されています。
人権の分類は学説によって異なる見解もありますが、5分類説(自由権・平等権・社会権・参政権・請求権)が一般的に広く用いられています。これらの権利は相互に関連し合いながら、現代社会における個人の尊厳と自由を保障する重要な役割を果たしています。