IATA航空貨物コードは、国際航空運送協会(IATA)が定める特殊取扱コード(Special Handling Codes: SHC)です。生き物、冷凍冷蔵品、貴重品、危険物など、特別な取り扱いを必要とする貨物を識別し、世界中の航空会社や貨物取扱業者間で統一された管理を行うために使用されています。
このコード体系はIATA TACT Rules(The Air Cargo Tariff)およびCargo IMP(Interline Message Procedure)マニュアルに定められており、航空貨物の国際的な取り扱い標準となっています。荷主、フォワーダー、航空会社、地上取扱業者が共通のコードを使用することで、輸送過程での誤取り扱いを防ぎ、貨物の安全な輸送を確保しています。
特殊取扱コードは大きく分けて一般貨物用コードと危険物用コードの2種類があります。一般貨物用コードは生き物(AVI)、鮮度保持貨物(PER)、貴重品(VAL)、冷凍貨物(FRO)など、貨物の性質に応じた適切な取り扱いを示します。一方、危険物用コードは可燃性液体(RFL)、毒性物質(RPB)、放射性物質(RRW)など、危険物規則(DGR)に基づく分類を表します。
近年では、電子航空運送状(e-AWB)の普及に伴い、EAW(書類のない電子貨物)やEAP(書類付き電子貨物)といった電子取引専用のコードも導入されています。また、リチウム電池の輸送増加に対応し、ELI(除外リチウムイオン電池)やRLI(規制対象リチウムイオン電池)などの細分化されたコードも整備されています。
IATA航空貨物コードを適切に使用することで、貨物の特性に応じた輸送が可能となり、品質保持、安全性確保、規制順守が実現されます。特に医薬品や生鮮食品などの温度管理が重要な貨物、危険物、生き物などでは、正確なコード指定が輸送の成否を左右する重要な要素となっています。