感染症は、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などの病原体が人体に侵入し、増殖することで発症する疾病です。日本では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)に基づき、感染力と重篤性に応じて五類に分類されており、それぞれ異なる報告体制や対策が定められています。
感染症法の分類体系は、一類から五類までのほか、新型インフルエンザ等感染症という特別なカテゴリが設けられています。一類はエボラ出血熱やペストなど感染力と重篤性が極めて高い疾病で、直ちに届け出が必要です。二類は結核やSARSなど高い危険性を持つ疾病、三類はコレラや細菌性赤痢など飲食物を介して集団発生するリスクがある疾病です。四類はマラリアや狂犬病など動物や蚊を介して感染する疾病、五類はインフルエンザやCOVID-19、エイズなど発生動向の把握が重要な疾病に分類されています。
世界保健機関(WHO)は、結核、マラリア、エイズなどを主要な公衆衛生課題として位置づけ、各国政府と連携して予防・管理に取り組んでいます。特に結核は空気感染により広がるため、日本では二類感染症として厳重な管理が行われています。一方、インフルエンザやCOVID-19は五類感染症として定点把握や全数把握で監視され、個人情報は原則として収集されません。COVID-19は2023年5月に二類相当から五類に移行し、現在はインフルエンザと同様の管理体制となっています。
感染症対策には、ワクチン接種、手洗い、マスク着用、適切な換気などの基本的な予防措置が有効です。また、早期発見・早期治療のため、体調不良時は医療機関を受診し、医師の指示に従うことが重要です。特に海外渡航時は、渡航先の感染症流行状況を確認し、必要に応じて予防接種を受けるなどの準備を行う必要があります。