ISNI(International Standard Name Identifier、国際標準名称識別子)は、ISO 27729として標準化された16桁の識別子です。研究者、発明家、作家、芸術家、演奏家、出版社、権利管理者など、創作活動に関与する人物や組織を一意に識別することを目的としています。DOI、ISBN、ISSNなどの国際標準識別子ファミリーの一員であり、名前の曖昧性を解消して検索と発見を容易にする重要な役割を果たしています。
ISNIの構造は16桁の数字で構成され、人間が読みやすい形式では「ISNI」プレフィックスの後に4桁ずつスペースで区切って表示されます。例えば「ISNI 1422 4586 3573 0476」のように表記されます。15桁の識別部と1桁のチェックディジットからなり、チェックディジットはISO/IEC 7064 MOD 11-2アルゴリズムを使用して計算されます。この仕組みにより、入力エラーの検出が可能となっています。
ISNI International Agency(ISNI-IA)がこの標準の管理を行っており、現在1650万件以上の公開レコードが登録されています。その内訳は個人が1450万件(うち研究者290万人)、組織が200万件以上です。97のデータソースから直接データが提供されており、図書館、出版社、データベース、権利管理団体など、世界中の多くの組織で利用されています。ISNIはオープン標準として広く普及しており、Linked DataとSemantic Webアプリケーションの重要な構成要素となっています。
ISNIを取得するには、ISNI Registration Agencies(RAGs)と呼ばれる登録機関を通じて申請します。世界25カ国以上に約35〜39のRAGがあり、英国図書館、フランス国立図書館、ポーランド国立図書館、Ringgold、YouTubeなどが代表的です。分野や機関によっては無料で登録できる場合もあります。ISNIは一度取得すると永続的に使用でき、創作者の活動を正確に記録し、作品の帰属を明確にする上で不可欠な識別子となっています。