日本の伝統的工芸品は、長い歴史の中で培われた職人の技と地域の文化が結晶したものである。1974年に施行された伝統的工芸品産業振興法(伝産法)により、経済産業大臣が指定する制度が確立され、2025年10月現在で244品目が指定されている。
伝統的工芸品の指定には5つの要件がある。主として日常生活用に供されること、製造過程の主要部分が手工業的であること、伝統的な技術または技法により製造されること、伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられていること、そして一定の地域において産地形成がされていることが求められる。これらの要件を満たすことで、品質と伝統性が保証される。
指定品目は15の業種に分類されている。最も品目数が多いのは織物の38品目で、西陣織や結城紬、塩沢紬などが代表例である。陶磁器33品目では九谷焼や美濃焼、京焼・清水焼が知られている。木工品・竹工品も33品目あり、漆器は23品目を数える。これらの工芸品は、それぞれの産地の気候風土と歴史の中で独自の技法を発展させてきた。
近年では、後継者不足や原材料の確保、市場の縮小などの課題に直面している伝統工芸品もある。一方で、伝統的な技術を活かした新しいデザインの製品開発や、海外への輸出促進、体験型観光との連携など、新たな取り組みも進んでいる。伝統工芸青山スクエアでは、全国の伝統的工芸品を一堂に展示販売し、職人の実演や制作体験も行っている。