世界のエネルギー構造は現在、大きな転換期を迎えています。2024年時点で化石燃料は依然として世界の一次エネルギーの約80%を占めていますが、再生可能エネルギーは史上最高の成長を記録し、2025年には発電部門で石炭を追い越して最大の電力源となる見込みです。
化石燃料は石油、石炭、天然ガスの3つに大別されます。石油は世界最大のエネルギー源として交通部門を支え、石炭は発電の基盤として50年以上にわたり利用されてきました。天然ガスは化石燃料の中で最もクリーンな選択肢として位置づけられ、需要成長も最も大きくなっています。しかし、これらの燃料から排出される二酸化炭素は気候変動の主な原因であり、脱炭素社会の実現に向けて変革が急がれています。
再生可能エネルギーは水力、風力、太陽光、バイオマス、地熱などから構成され、2024年には世界の発電の32%を占めました。特に太陽光発電は3年ごとに倍増する驚異的な成長を見せ、新設容量の約80%を占めるまでになりました。風力発電も陸上と海上で着実に拡大し、水力は従来からの安定した電源として重要な役割を果たし続けています。
原子力も再評価の時期を迎えています。2024年には7GW以上の新設容量が追加され、発電量は100TWh増加しました。フランスや日本の原子炉再稼働が成長を牽引し、中国やインドでも新規建設が進んでいます。脱炭素電源としての価値が再認識され、2035年までに世界の原子力容量は少なくとも3分の1増加する見込みです。
IEAは「電力の新時代」の到来を宣言し、再生可能エネルギーと原子力の組み合わせが世界のエネルギー安全保障と脱炭素化の鍵となると予測しています。データセンターやAIによる電力需要の急増も、クリーンエネルギーへの投資を加速させる重要な要因となっています。