素材・製造・産業は、日本標準産業分類における製造業のうち、自然界の物質を加工し製品製造に使いやすい素材に変える産業群を指します。化学産業、紙・パルプ産業、窯業・土石製品製造業、鉄鋼業、非鉄金属製造業などが含まれ、製造業全体の約2割を占める重要な分野です。
これらの産業は自動車、電機・電子、建設などの下流産業への素材供給源として、日本の製造業の競争力の基盤となっています。特に鉄鋼業や化学産業は雇用面でも重要であり、それぞれ22万人、94万人の従業員を擁しています。また、エネルギー集約型産業としても知られ、脱炭素化の観点からも大きな注目を集めています。
素材産業の特徴として、連産品構造が挙げられます。化学産業などでは、主要製品とともに副生品が生じ、これらがサプライチェーンの各所へ供給される仕組みになっています。このため、生産効率の最適化や品質管理が重要な課題となります。経済産業省では素材産業の国際競争力強化に向けた産業政策を推進しており、経済安全保障の観点からも重要性が高まっています。
日本標準産業分類では、これらの素材産業は中分類として体系的に分類されており、統計調査や経済センサス、工業統計などで広く使用されています。令和5年(2023年)7月の改定により、最新の産業構造を反映した分類体系が整備されています。