UNESCO世界遺産条約において、自然遺産として登録されるためには「顕著で普遍的な価値(Outstanding Universal Value: OUV)」を持つことが求められます。この価値を評価するために、4つの自然遺産基準(vii, viii, ix, x)が設けられており、これらのうち1つ以上に該当することが登録の必要条件となっています。
基準viiは自然美と自然現象に焦点を当て、類例を見ない優れた自然美や美的要素を持つ地域を対象としています。壮大な景観や絶景がこの基準で評価されます。基準viiiは地形と地質に関するもので、地球の歴史や生命進化の記録、地形形成過程を代表する顕著な例が該当します。化石遺跡や火山地形、氷河地形などが代表的な例です。
基準ixは生態系に関するもので、陸上、淡水域、沿岸、海洋の生態系や動植物群集の進化と発展における重要な生態学的過程を代表する顕著な例を対象としています。サンゴ礁や熱帯雨林、湿地などが該当します。基準xは生物多様性に関するもので、絶滅危惧種を含む生物多様性の保全にとって最も重要な自然の生息地が対象となります。
これらの基準に加えて、完全性と保全性の条件も満たす必要があります。完全性とは、遺産がその価値を表現するために必要なすべての要素を含み、適切な規模を持ち、開発や劣化によって悪影響を受けていないことを指します。保全性とは、長期的な法的保護と効果的な管理システムが整備されていることを意味します。
日本の世界自然遺産は、白神山地(基準ix)、屋久島(基準vii, ix)、知床(基準ix, x)、小笠原諸島(基準ix)、奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島(基準x)があります。それぞれが独自の自然的価値を持ち、国際的に重要な保全地域として認められています。