日本十進分類法(NDC: Nippon Decimal Classification)は、日本の図書館において最も広く使用されている図書分類システムです。1929年に森清によって考案され、デューイ十進分類法(DDC)を基礎としながら、日本の図書館環境に適した形で発展してきました。現在は日本図書館協会が管理しており、新訂10版(2014年発行)が最新版として使用されています。
この分類法の最大の特徴は、0から9までの数字を用いた十進法による階層構造にあります。第1次区分表では、全ての知識を10個の大分類(類)に分けています。0類は総記、1類は哲学、2類は歴史、3類は社会科学、4類は自然科学、5類は技術、6類は産業、7類は芸術、8類は言語、9類は文学となっています。これらの大分類はさらに細分化され、第2次区分(綱)、第3次区分(目)へと展開することで、より詳細な主題分類が可能になります。
日本十進分類法の普及率は非常に高く、日本の公共図書館の99%、大学図書館の92%、学校図書館のほぼ100%で採用されています。この高い普及率により、利用者は全国どの図書館でも同じ分類体系で資料を探すことができ、図書館間の資料の移動や相互貸借も円滑に行われます。図書の背表紙に貼られた分類ラベルの番号を見れば、その本がどの知識分野に属するかを即座に理解できるため、効率的な資料探索が可能になります。
この分類法は、単に図書館の書架整理のためだけでなく、知識の体系的な理解にも役立ちます。10個の大分類を把握することで、人間の知識活動がどのような領域に分かれているかを俯瞰的に理解できます。また、デジタル時代においても、図書館資料のデータベース検索やOPAC(オンライン蔵書目録)での分類検索に活用されており、情報リテラシー教育の基礎としても重要な役割を果たしています。
日本十進分類法は、約100年の歴史を持ちながらも、社会の変化や新しい学問分野の登場に対応するため、継続的に改訂が行われています。図書館を利用する際には、この分類体系を理解しておくことで、必要な資料をより効率的に見つけることができるようになります。