絵画のジャンル分類は、描かれる題材やテーマに基づいて作品を体系的に整理する方法です。この分類体系は、17世紀のフランス王立美術アカデミーによって確立された階層構造を基盤としており、現在も美術史の理解に広く活用されています。
古典的な階層では、歴史画が最上位に位置し、神話や宗教的場面、英雄的なエピソードを描くものとして最高の芸術的価値を持つとされました。これは人間の理想的美や道徳的教訓を表現できるという考えに基づいています。続いて肖像画、風俗画、風景画、静物画が位置づけられ、人物を描くものほど高く評価される傾向がありました。
近代に入ると、この伝統的な階層は根本的に覆されることになります。19世紀末から20世紀にかけて、印象派や抽象表現主義などの運動が興起し、形や色彩そのものの持つ力で表現する抽象画が登場しました。これは具象的な対象を描かない全く新しいアプローチであり、絵画の概念を大きく広げるものでした。現在ではこれらのジャンルが並立し、芸術家の表現の自由が尊重されるようになっています。