日本の公共サービス・行政手続きは、地方公共団体が住民に提供する各種サービスと手続きの総称です。子育て支援から介護・医療・災害支援に至るまで、日常生活に密接に関わる重要な制度群を指します。近年、デジタル庁の設立とともに加速する行政手続のオンライン化により、これらのサービスは大きく変貌を遂げつつあります。
デジタル庁は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づき、自治体の行政手続効率化と国民の利便性向上を目指して、59の優先手続きのオンライン化を推進しています。これらの手続きは処理件数が多く、オンライン化による効果が高いと考えられるものとして選定されました。特に子育て関連の手続きや介護認定の申請など、多くの国民が利用する手続きが含まれており、スマートフォン等で完結できる環境の整備が進められています。
マイナンバーカードの普及とともに、マイナポータルを活用した電子申請システムの整備も進んでいます。2023年4月末時点で約70%の国民がマイナンバーカードを保有しており、このカードを活用することで、住所や氏名、家族情報などを繰り返し入力する必要がなくなります。さらに、2025年4月からは次期オンライン申請サービスの先行実証が始まり、自治体が保有する情報を申請フォームに自動転記する機能など、より高度なデジタル化が実現しつつあります。2026年9月以降の本格運用開始に向け、横須賀市・熊本市・都城市等で実証が進められています。
このようなデジタル化の進展により、被災時の罹災証明書の申請など、従来は窓口での手続きが必要だったものも、自宅からオンラインで申請できるようになりました。これは被災した大変な状況下にある住民にとって大きな利便性向上となっています。今後も、国民一人ひとりがより便利に公共サービスを利用できるよう、行政手続のオンライン化は継続的に推進されていくものと期待されます。