性感染症とは、性行為を主な感染経路とする感染症の総称です。日本では梅毒、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマの5疾病について感染症発生動向調査が実施されており、厚生労働省と国立感染症研究所が発生状況を監視しています。
近年、日本では特に梅毒の報告数が急増しており、社会問題となっています。2023年には14,906例と過去最高を記録し、2011年頃からの増加傾向が続いています。男性は20代から50代にかけて広く分布し、女性は20代で特に高い報告数が見られます。梅毒の増加は、オーラルセックスのリスク認識の低さや、パートナー変更の多様化などが背景にあると考えられています。
性感染症の多くは、早期発見と適切な治療により治癒可能です。淋病やクラミジア、梅毒などの細菌性感染症は抗菌薬で治癒し、トリコモナス症も原虫駆除薬で治療できます。一方で、HIVやヘルペス、B型肝炎などのウイルス性感染症は完治は困難ですが、適切な治療により症状をコントロールし、健康な生活を送ることが可能です。
性感染症の予防には、安定したパートナーとの関係(ステディセックス)や、コンドームの適切な使用(セーファーセックス)が有効です。特にコンドームは多くの性感染症の感染リスクを大幅に減らすことができますが、覆わない部位からの感染は防げないため、100%の予防効果があるわけではありません。不安がある場合は、早期に検査を受けることが重要です。保健所や医療機関で匿名で検査を受けることができ、早期発見により自分だけでなくパートナーの健康も守ることができます。