スマートグリッドは、情報通信技術(ICT)を活用して、供給側と需要側が相互に連携しながら電力の流れを監視・制御・最適化する次世代の電力網です。従来の大規模集中型発電所から需要家への一方向送電とは異なり、再生可能エネルギーや蓄電池、電気自動車などの分散型エネルギーリソースを双方向で制御し、電力の安定供給と効率的な利用を実現します。
スマートグリッドの構成要素には、電力使用量をリアルタイムで計測するスマートメーターを中心とした高度計量インフラ(AMI)、住宅内のエネルギーを管理するHEMS、ビルのエネルギーを最適化するBEMS、工場のエネルギーを管理するFEMS、地域全体のエネルギーを統合するCEMSなどがあります。これらのシステムが連携することで、創エネ・省エネ・蓄エネの統合的最適化が可能となります。
再生可能エネルギーの大量導入が進む中、電源の分散化と出力の変動性への対応が重要な課題となっています。スマートグリッドは、デマンドレスポンスによる需要の柔軟な調整、エネルギー貯蔵システムによるピークカット、広域監視システム(WAMS)による系統の安定化運用など、様々な技術を組み合わせることで、この課題に対応します。また、災害時にはマイクログリッドとして自立運転し、地域のエネルギー安全保障にも貢献します。
日本では2024年度末までに低圧用スマートメーターの導入が完了し、2025年度から次世代スマートメーターへの順次交換が開始される予定です。さらに、収集した電力データの事業者への有償提供も始まり、データ活用による新たな価値創造も進められています。スマートグリッドは、低炭素社会の実現とエネルギーの最適利用を目指す重要なインフラとして、今後さらに重要な役割を果たしていくことでしょう。