SNOMED CT(Systematized Nomenclature of Medicine Clinical Terms)は、電子健康記録で臨床情報を標準化して取得・保存・交換するための体系的に整理された医学用語の集合です。1960年代にアメリカ病理学会が開発したSNOMEDを起源とし、1999年にSNOMED RTと英国NHSのCTV3(Clinical Terms Version 3)が統合されて誕生しました。現在はSNOMED Internationalという非営利組織が管理しており、世界40カ国以上で採用されている事実上の国際標準です。
SNOMED CTの最大の特徴は、19のトップレベル階層からなる階層的な構造を持つことです。臨床所見、処置、身体構造、生物体、物質、医薬品などの主要カテゴリが、さらに詳細なサブカテゴリに細分化されています。各概念は「is a(は~である)」という関係で結ばれており、多軸分類を採用しているため、一つの概念が複数の親概念を持つことができます。現在は約35万以上のアクティブな概念と数百万の関係性を持ち、20以上の言語に翻訳されています。
医療現場でのSNOMED CTの活用価値は多岐にわたります。まず、臨床記録の標準化により、異なる医療機関間でも情報が一貫して理解できるようになります。また、意思決定支援システムとの連携により、自動的に臨床ガイドラインや注意喚起を提供することが可能です。さらに、標準化されたデータは臨床監査、研究、質的改善のための分析にも活用できます。ICD、HL7、DICOMなど他の医療標準との相互運用性も確保されており、包括的な医療情報システムの基盤として機能しています。