国際十進分類法(Universal Decimal Classification、UDC)は、1895年にベルギーの文献学者ポール・オトレとアンリ・ラ・フォンテーヌによって開発された、図書館や文献情報サービスのための多面的な分類体系です。メルヴィル・デューイの十進分類法(DDC)を基礎として、より国際的かつ詳細な分類を可能にするよう改良されました。現在では世界130カ国以上、約15万の図書館で使用され、40以上の言語に翻訳されている、最も広く普及した国際的な知識分類システムの一つです。
UDCの最大の特徴は、10の主類(0-9)による体系的な構造と、記号を組み合わせることで複雑な主題を表現できる合成的な性質です。主類0は総記(科学・知識・情報)、主類1は哲学・心理学、主類2は宗教・神学、主類3は社会科学、主類5は自然科学、主類6は応用科学、主類7は芸術・スポーツ、主類8は言語・文学、主類9は地理・歴史を扱います。なお、主類4は1963年の改訂で言語学が主類8に移動された際に空き番号となり、将来の拡張のために予約されています。
この分類体系は、単なる図書の配架システムを超えて、知識の組織化と検索を支援する強力なツールとして機能します。図書館員は所蔵資料を論理的に配列し、利用者が必要な情報に効率的にアクセスできるよう支援できます。また、書誌データベースの構築、文献検索システムの設計、研究資料の体系的管理にも活用されています。
UDCは非営利団体であるUDC Consortium(UDCC)によって管理・更新されており、オランダ王立図書館に本部を置いています。定期的な改訂により、新しい学問分野や技術の発展に対応し、現代の知識体系を適切に反映し続けています。デジタル時代においても、情報の分類と組織化の基盤として重要な役割を果たしており、図書館情報学の教育や実務において必須の知識となっています。
日本においても、学術図書館や専門図書館を中心にUDCが採用されており、国際的な文献交換や共同目録作成において重要な役割を果たしています。JIS X 0307:1989として日本産業規格にも採用されていることから、その信頼性と実用性が広く認められています。