概要

国際十進分類法

国際十進分類法(UDC)は、1895年にベルギーのポール・オトレとアンリ・ラ・フォンテーヌによって開発された、図書館や文献情報サービスのための多面的な分類体系です。メルヴィル・デューイの十進分類法を基礎として改良され、現在では世界130カ国以上、約15万の図書館で使用されています。10の主類(0-9)で構成され、40以上の言語に翻訳されている国際的に広く普及した分類システムです。

図書館 分類法 知識分類 書誌情報 国際標準
コード スラッグ 名称 概要
0 science-knowledge-information 総記 科学、知識、情報組織化、コンピュータ科学、図書館学、出版物に関する分野です。
1 philosophy-psychology 哲学・心理学 哲学、形而上学、論理学、倫理学、心理学に関する分野です。
2 religion-theology 宗教・神学 宗教、神学、神話学、宗教的実践に関する分野です。
3 social-sciences 社会科学 社会学、政治学、経済学、法学、行政学、教育学に関する分野です。
4 vacant (空き番号) 将来の拡張のために予約されている空き番号です。
5 mathematics-natural-sciences 自然科学 数学、天文学、物理学、化学、地球科学、生物学に関する分野です。
6 applied-sciences-medicine-technology 応用科学 医学、工学、農学、家政学、経営学、化学工業に関する分野です。
7 arts-recreation-entertainment-sport 芸術・スポーツ 美術、音楽、演劇、映画、レクリエーション、スポーツに関する分野です。
8 language-linguistics-literature 言語・文学 言語学、各国語学、文学、文芸批評に関する分野です。
9 geography-biography-history 地理・歴史 地理学、伝記、考古学、歴史学に関する分野です。

国際十進分類法(Universal Decimal Classification、UDC)は、1895年にベルギーの文献学者ポール・オトレとアンリ・ラ・フォンテーヌによって開発された、図書館や文献情報サービスのための多面的な分類体系です。メルヴィル・デューイの十進分類法(DDC)を基礎として、より国際的かつ詳細な分類を可能にするよう改良されました。現在では世界130カ国以上、約15万の図書館で使用され、40以上の言語に翻訳されている、最も広く普及した国際的な知識分類システムの一つです。

UDCの最大の特徴は、10の主類(0-9)による体系的な構造と、記号を組み合わせることで複雑な主題を表現できる合成的な性質です。主類0は総記(科学・知識・情報)、主類1は哲学・心理学、主類2は宗教・神学、主類3は社会科学、主類5は自然科学、主類6は応用科学、主類7は芸術・スポーツ、主類8は言語・文学、主類9は地理・歴史を扱います。なお、主類4は1963年の改訂で言語学が主類8に移動された際に空き番号となり、将来の拡張のために予約されています。

この分類体系は、単なる図書の配架システムを超えて、知識の組織化と検索を支援する強力なツールとして機能します。図書館員は所蔵資料を論理的に配列し、利用者が必要な情報に効率的にアクセスできるよう支援できます。また、書誌データベースの構築、文献検索システムの設計、研究資料の体系的管理にも活用されています。

UDCは非営利団体であるUDC Consortium(UDCC)によって管理・更新されており、オランダ王立図書館に本部を置いています。定期的な改訂により、新しい学問分野や技術の発展に対応し、現代の知識体系を適切に反映し続けています。デジタル時代においても、情報の分類と組織化の基盤として重要な役割を果たしており、図書館情報学の教育や実務において必須の知識となっています。

日本においても、学術図書館や専門図書館を中心にUDCが採用されており、国際的な文献交換や共同目録作成において重要な役割を果たしています。JIS X 0307:1989として日本産業規格にも採用されていることから、その信頼性と実用性が広く認められています。