日本の動物保護制度は、1973年に制定された動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)を中核として構成されています。この法律は、動物の虐待防止と適正な管理を両立させ、人と動物が調和して共存できる社会の実現を目指しています。近年では法律の改正や啓発活動の充実により、保護犬・保護猫の殺処分数は大幅に減少し、令和5年度には過去最少の9,017頭を記録しました。
動物愛護センターは、都道府県や市町村が設置する公的施設で、飼い主からの引き取り依頼や所有者不明の迷い犬猫の収容、譲渡の斡旋を行っています。令和5年度の全国の収容数は犬が約19,000頭、猫が約77,000頭でした。これらの動物は、里親制度を通じて新しい家族を見つけることができます。里親になるためには、書類審査、事前講習、ホームチェック、お見合い、トライアル期間などのプロセスを経る必要があり、終生飼養の責任を持って迎えることが求められます。
動物愛護推進員制度は、市民ボランティアが地域で動物愛護の普及啓発活動を行う重要な仕組みです。都道府県知事や市町村長から委嘱された推進員は、動物愛護週間の啓発活動、譲渡支援、不妊去勢手術に関する助言、災害時の動物保護など多様な活動を行っています。また、2022年6月からは飼育する犬猫へのマイクロチップ装着が義務化され、迷い犬猫の飼い主特定や遺棄防止に役立っています。
民間の動物保護団体も重要な役割を果たしています。NPO法人Link toの「ずーっと預かり制度」やJCDLの「終身お預かりシステム」は、飼い主が手放さざるを得なくなった動物を一生涯預かる制度で、高齢者や病気を持つ動物の救済に貢献しています。さらに、地域猫活動の普及により、野良猫の適正管理が進み、収容数の減少にもつながっています。これらの取り組みが協力することで、日本の動物保護は着実に前進しています。