ケッペンの気候帯は、ドイツの地理学者・気候学者ヴラディミール・ケッペン(Wladimir Köppen)が1900年代初頭に考案した気候区分法です。気温と降水量という2つの気候要素を基準に、植生との関連性を重視して世界を分類しており、現在も気候学研究や農業、生態学など広い分野で最も広く使われています。
この気候区分では、世界を熱帯(A)、乾燥帯(B)、温帯(C)、冷帯・亜寒帯(D)、寒帯(E)の5大気候帯に分類します。それぞれの気候帯は、樹木の生育可能性や、人間の生活にとって重要な気温の閾値を基準に設定されています。例えば、18℃はヤシの木が自生できる境界、-3℃は根雪(積雪が春まで残る)になる境界、10℃は樹木が生育できる境界となっています。
各気候帯はさらに降水パターンや季節特性によって細かい気候区に分けられます。熱帯は熱帯雨林、熱帯モンスーン、サバナに分かれ、温帯は温暖湿潤気候や西岸海洋性気候、地中海性気候などに分類されます。この詳細な分類により、世界各地の気候特性を的確に把握し、農業適地の判定や生態系の理解に役立てられています。
ケッペンの気候区分は、気候変動の研究においても重要な基盤となっています。長期的な気候データをこの区分法に基づいて分析することで、各地域の気候変化を定量的に把握し、将来の気候予測に活用されています。また、植生分布や生物多様性の研究においても、気候と生態系の関係を理解するための基本フレームワークとして広く利用されています。