温室効果ガスは、地球の大気を通過する太陽の熱を閉じ込め、気温を上昇させる性質を持つガスの総称です。人類の活動によって排出される主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、そしてフロン類が挙げられます。これらのガスは、それぞれ異なる化学的性質と温暖化への影響度を持っており、国際的な気候変動対策において重要な対象となっています。
二酸化炭素は人為的温室効果ガス排出量の約75%を占め、最も主要な温室効果ガスです。温室効果係数は1(基準値)ですが、排出量が圧倒的に多く、産業革命以降の温暖化寄与率は約65%に達しています。一方、メタンや一酸化二窒素は排出量は少ないものの、二酸化炭素の数十倍から数百倍の温室効果を持ち、短期的な温暖化促進に大きく寄与しています。特にメタンは大気中寿命が約12年と比較的短いため、早期の削減が気温上昇抑制に効果的とされています。
フロン類はHFCs、PFCs、SF6、NF3などの人工的なガス群を指し、二酸化炭素の数千倍から数万倍もの強力な温室効果を持ちます。冷媒や半導体製造など特定の産業で使用されるこれらのガスは、排出量は限られているものの、その強力な温暖化効果と長い大気中寿命から、排出削減が優先的に進められています。特に六フッ化硫黄は約2.4万倍の温室効果を持ち、排出後数百年から千年以上にわたり温暖化を引き起こす可能性があります。
各国はパリ協定などの国際的な枠組みの下、これらの温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。温室効果係数(GWP)を用いて異なるガスの温暖化影響を統一的に評価し、CO2換算で排出量を管理しています。二酸化炭素の排出削減が基本となる一方、メタンやフロン類などの高GWPガスの削減も、気温上昇を1.5度以内に抑えるためには不可欠です。