概要

ICD-10(国際疾病分類 第10版)

ICD-10(国際疾病分類 第10版)は、世界保健機関(WHO)が策定した疾病、傷害、死因、および健康状態の国際的な統計分類体系です。1990年に第43回世界保健総会で採択され、21の章から構成され、アルファベットと数字を組み合わせたコード(A00.0~Z99.9)で分類されます。日本では厚生労働省が2013年版を基にした日本語版を公表し、死因統計、疾病統計、医療費請求、臨床記録などに広く使用されています。

WHO 国際疾病分類 医療統計 疾病分類 死因統計 医療コード 厚生労働省
コード スラッグ 名称 概要 codeRange
I certain-infectious-parasitic-diseases 感染症及び寄生虫症 細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などによる感染症を分類する章です。 A00-B99
II neoplasms 新生物(腫瘍) 良性および悪性の腫瘍(がんを含む)を分類する章です。 C00-D48
III blood-immune-disorders 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害 貧血、白血病、免疫不全などの血液・免疫系の疾患を分類する章です。 D50-D89
IV endocrine-metabolic-diseases 内分泌、栄養及び代謝疾患 内分泌系疾患、栄養失調、代謝異常を分類する章です。 E00-E90
V mental-behavioural-disorders 精神及び行動の障害 精神疾患および行動障害を分類する章です。 F00-F99
VI nervous-system-diseases 神経系の疾患 中枢神経系および末梢神経系の疾患を分類する章です。 G00-G99
VII eye-adnexa-diseases 眼及び付属器の疾患 眼およびその付属器官の疾患を分類する章です。 H00-H59
VIII ear-mastoid-diseases 耳及び乳様突起の疾患 耳および乳様突起の疾患を分類する章です。 H60-H95
IX circulatory-system-diseases 循環器系の疾患 心臓および血管系の疾患を分類する章です。 I00-I99
X respiratory-system-diseases 呼吸器系の疾患 上気道から肺までの呼吸器系の疾患を分類する章です。 J00-J99
XI digestive-system-diseases 消化器系の疾患 口腔から肛門までの消化管および付属臓器の疾患を分類する章です。 K00-K93
XII skin-subcutaneous-diseases 皮膚及び皮下組織の疾患 皮膚および皮下組織の疾患を分類する章です。 L00-L99
XIII musculoskeletal-connective-tissue-diseases 筋骨格系及び結合組織の疾患 骨、関節、筋肉、結合組織の疾患を分類する章です。 M00-M99
XIV genitourinary-diseases 腎尿路生殖器系の疾患 腎臓、尿路、生殖器の疾患を分類する章です。 N00-N99
XV pregnancy-childbirth-puerperium 妊娠、分娩及び産褥 妊娠、分娩、産後期に関連する病態を分類する章です。 O00-O99
XVI perinatal-conditions 周産期に発生した病態 出生前から出生後1週間以内に発生した病態を分類する章です。 P00-P96
XVII congenital-malformations 先天奇形、変形及び染色体異常 出生時に存在する奇形、変形、染色体異常を分類する章です。 Q00-Q99
XVIII symptoms-signs-abnormal-findings 症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの 明確な診断がつかない症状や検査所見を分類する章です。 R00-R99
XIX injury-poisoning-consequences 損傷、中毒及びその他の外因の影響 外因による損傷、中毒、その他の影響を分類する章です。 S00-T98
XX external-causes 傷病及び死亡の外因 傷病や死亡の原因となった外因を分類する章です。 V01-Y98
XXI health-status-factors 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用 疾病そのものではなく、健康状態に影響を与える要因や保健サービス利用を分類する章です。 Z00-Z99

ICD-10(国際疾病分類 第10版)は、世界保健機関(WHO)が策定した疾病、傷害、死因、および健康状態の国際的な統計分類体系です。1990年に第43回世界保健総会で採択され、現在も世界中の医療統計、死因統計、医療費請求、臨床記録などに広く使用されています。

この分類体系は21の章から構成され、アルファベットと数字を組み合わせたコード(A00.0からZ99.9まで)で疾病を分類します。第I章の「感染症及び寄生虫症」(A00-B99)から第XXI章の「健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用」(Z00-Z99)まで、病因による分類、解剖学的分類、状況による分類など、複数の分類軸を用いています。

日本では厚生労働省がWHOのICD-10(2013年版)に準拠した日本語版を公表し、人口動態統計の死因分類、患者調査、医療費請求などに使用されています。特に死因統計においては、国際的な比較可能性を確保するためにICDの適切な使用が不可欠です。また、臨床現場では診療報酬請求のためのレセプト電算処理システムにも組み込まれており、日本の医療の質とアクセスの評価に重要な役割を果たしています。