概要

主要な国際人権条約

国際人権条約は、国際連合が採択した人権の保護と促進を目的とした条約群です。世界人権宣言(1948年)を基礎として、経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約(社会権規約)、市民的・政治的権利に関する国際規約(自由権規約)など、9つの核心的人権条約を中心に構成されています。各条約には専門の条約委員会が設置され、締約国の履行状況を監視しています。

国際人権条約 国連 人権 世界人権宣言 社会権規約 自由権規約 条約委員会
コード スラッグ 名称 概要 adoptedYear entryIntoForceYear japanRatificationYear japanRatified parties shortName isDeclaration
01 icerd あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約 人種差別を禁止し、その撤廃を目的とした条約です。 1965 1969 1995 true 173 人種差別撤廃条約
02 iccpr 市民的及び政治的権利に関する国際規約 市民的政治的権利を保護するための国際規約です。 1966 1976 1979 true 165 自由権規約
03 icescr 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約 経済的・社会的・文化的権利を保護するための国際規約です。 1966 1976 1979 true 160 社会権規約
04 cedaw 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約 女性に対する差別の撤廃を目的とした条約です。 1979 1981 1985 true 186 女子差別撤廃条約
05 cat 拷問及びその他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約 拷問および不人道的な取り扱いを禁止する条約です。 1984 1987 1999 true 175 拷問等禁止条約
06 crc 児童の権利に関する条約 18歳未満の子どもの権利を保護するための条約です。 1989 1990 1994 true 196 子どもの権利条約
07 icmw 全ての移住労働者及びその家族の権利保護に関する国際条約 移住労働者とその家族の権利を保護する条約です。 1990 2003 false 60 移住労働者権利条約
08 crpd 障害者の権利に関する条約 障害者の権利を保護・促進するための条約です。 2006 2008 2014 true 192 障害者権利条約
09 cped 強制的失踪からのすべて者の保護に関する国際条約 強制的失踪から人々を保護するための条約です。 2006 2010 2009 true 77 強制失踪条約
10 udhr 世界人権宣言 人権の普遍的基準を定めた国連総会の宣言です。 1948 false 世界人権宣言 true

国際人権条約は、第二次世界大戦後の1948年の世界人権宣言を出発点として、国連が中心となって構築してきた国際人権法体系の中核をなすものです。これらの条約は、全ての人間に固有の尊厳と平等かつ譲渡不可能な権利を保障することを目的としており、批准国に対して法的拘束力を持ちます。

現在、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が定める中核的人権条約は9つあります。人種差別撤廃条約、自由権規約、社会権規約、女子差別撤廃条約、拷問等禁止条約、子どもの権利条約、移住労働者権利条約、障害者権利条約、強制失踪条約がそれぞれ特定の人権分野を保護するために設けられています。各条約には専門の委員会が設置され、締約国からの報告の審査や条約解釈の一般的意見の発出を行っています。

日本は9つの中核的人権条約のうち8つを批准しています。1979年に自由権規約と社会権規約を批准し、1999年には拷問等禁止条約、2014年には障害者権利条約を批准するなど、段階的に人権条約の批准を進めてきました。一方で、移住労働者権利条約については未批准の状態が続いています。各条約の批准状況は、国の人権水準を測る重要な指標の一つとなっています。

国際人権条約の特徴として、権利の不可分性と相互依存性が挙げられます。市民的政治的権利と経済的社会的文化的権利は相互に関連しており、一方がない状態で他方を完全に実現することは困難です。この理念は、世界人権宣言において初めて包括的に宣言され、その後の各条約に引き継がれています。毎年12月10日の国際人権日には、これらの条約の意義と人権保護の重要性が世界中で見直されています。