国際人権条約は、第二次世界大戦後の1948年の世界人権宣言を出発点として、国連が中心となって構築してきた国際人権法体系の中核をなすものです。これらの条約は、全ての人間に固有の尊厳と平等かつ譲渡不可能な権利を保障することを目的としており、批准国に対して法的拘束力を持ちます。
現在、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が定める中核的人権条約は9つあります。人種差別撤廃条約、自由権規約、社会権規約、女子差別撤廃条約、拷問等禁止条約、子どもの権利条約、移住労働者権利条約、障害者権利条約、強制失踪条約がそれぞれ特定の人権分野を保護するために設けられています。各条約には専門の委員会が設置され、締約国からの報告の審査や条約解釈の一般的意見の発出を行っています。
日本は9つの中核的人権条約のうち8つを批准しています。1979年に自由権規約と社会権規約を批准し、1999年には拷問等禁止条約、2014年には障害者権利条約を批准するなど、段階的に人権条約の批准を進めてきました。一方で、移住労働者権利条約については未批准の状態が続いています。各条約の批准状況は、国の人権水準を測る重要な指標の一つとなっています。
国際人権条約の特徴として、権利の不可分性と相互依存性が挙げられます。市民的政治的権利と経済的社会的文化的権利は相互に関連しており、一方がない状態で他方を完全に実現することは困難です。この理念は、世界人権宣言において初めて包括的に宣言され、その後の各条約に引き継がれています。毎年12月10日の国際人権日には、これらの条約の意義と人権保護の重要性が世界中で見直されています。