LOINC(Logical Observation Identifiers Names and Codes、論理的観測識別子名称・コード)は、臨床検査や医療観察データを識別するための国際標準コードシステムです。1994年に米国インディアナ大学のRegenstrief Instituteによって開発され、現在では172カ国以上で使用され、15カ国以上で国家標準として採用されています。
LOINCの最大の特徴は、検査項目を6つの軸(Component成分、Property特性、Time時間、System検体、Scale尺度、Method方法)で構成することです。この構造化されたアプローチにより、同じ検査でも異なる名称や単位で記録されがちな問題を解決し、世界中の医療機関間でデータを正確に交換できるようになりました。
LOINCは大きく2つの分類体系を持ちます。Laboratory LOINCは血液、尿、髄液などの検体を採取して測定する検査を対象とし、化学検査、血液学検査、微生物学検査、血清学検査、尿検査などのカテゴリーに分類されます。一方、Clinical LOINCは検体採取を必要としない患者からの観察を対象とし、バイタルサイン、心電図、画像検査、調査票・評価尺度、臨床文書などが含まれます。
日本では、日本医療情報学会(JAHIS)が中心となってLOINCの普及活動を行っており、臨床検査データ交換規約にLOINCを採用しています。また、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)JP Core実装ガイドでもLOINCが使用されており、医療機関間のデータ連携や電子カルテの標準化において重要な役割を果たしています。2025年8月にリリースされたLOINC Version 2.81では、108,249の用語が収録されており、日々進化し続けています。