概要

貧困の種類

貧困の種類は、絶対的貧困、相対的貧困、多次元的貧困など、様々な観点から分類されます。絶対的貧困は生存に必要な最低限の生活水準が満たされていない状態を指し、相対的貧困は社会内での相対的な経済的位置づけに基づきます。多次元的貧困は所得だけでなく、健康、教育、生活環境など複合的な要素を含みます。また、状況的貧困、世代間貧困、慢性的貧困など、持続性や発生要因による分類も存在します。これらの類型は、貧困の理解と対策立案において重要な基盤となります。

貧困 絶対的貧困 相対的貧困 多次元的貧困 社会問題 SDGs 世界銀行 UNDP
コード スラッグ 名称 概要 measurement primaryRegions dimensions causes barriers duration statistics2025 characteristics factors
01 absolute-poverty 絶対的貧困 生存に必要な最低限の生活水準が満たされていない状態です。 国際貧困ライン:1日3.00ドル(2021年購買力平価) ["サブサハラ・アフリカ","南アジア","脆弱な国々"]
02 relative-poverty 相対的貧困 社会の平均的な生活水準と比較して経済的に不利な状態です。 等価可処分所得の中央値の50%未満 ["先進国","日本","アメリカ","欧州各国"]
03 multidimensional-poverty 多次元的貧困 所得以外の健康、教育、生活環境など複合的な要素での剥夺状態です。 10指標のうち3分の1以上で剥夺がある場合 ["健康","教育","生活水準"]
04 situational-poverty 状況的貧困 特定の危機的状況によって一時的に生じる貧困状態です。 ["失業","離婚","医療費","自然災害","景気後退"]
05 generational-poverty 世代間貧困 2世代以上にわたって続く貧困の連鎖状態です。 ["教育格差","雇用機会の欠如","医療アクセス不足","差別","地域の貧困"]
06 chronic-poverty 慢性的貧困 長期間または生涯にわたって続く極度の貧困状態です。 長期的(数年〜生涯)
07 extreme-poverty 極度の貧困 絶対的貧困の中でも最も深刻な生存を脅かす状態です。 8億800万人(世界人口の9.9%)
08 urban-poverty 都市貧困 都市部で見られる貧困状態です。 ["過密","スラム街","都市サービス不足","環境汚染"]
09 rural-poverty 農村貧困 非都市部で見られる貧困状態です。 多次元的貧困人口の83.5%が農村居住
10 working-poverty ワーキングプア 働いても貧困状態にある状態です。 ["非正規雇用","低賃金","パートタイム労働","生活費の高騰"]

貧困は、人々の生活と社会全体に深く根ざした複雑な問題です。しかし、貧困を理解するためには、それが単一の状態ではなく、様々な類型に分類されることを認識することが重要です。主な貧困の種類には、絶対的貧困、相対的貧困、多次元的貧困のほか、状況的貧困や世代間貧困などがあります。それぞれの類型は異なる定義と測定方法を持ち、異なる地域や文脈で問題となっています。

絶対的貧困は、生存に必要な最低限の生活水準が満たされていない状態を指し、世界銀行の国際貧困ライン(2025年現在は1日3.00ドル)を基準として測定されます。これは主に途上国で問題となり、飢餓や住居なし、医療アクセス不可など、生存そのものが脅かされる深刻な状態を示します。一方、相対的貧困は社会内での相対的な経済的位置づけに基づき、先進国で主に使用されます。OECD基準では等価可処分所得が中央値の50%未満の状態と定義され、日本では2021年に15.7%の相対的貧困率が報告されています。

多次元的貧困は、所得だけでなく健康、教育、生活環境などの複合的な要素を含む概念です。UNDPとOPHIが開発した多次元的貧困指数(MPI)は、栄養状態、児童死亡率、就学年数、学校出席率、調理燃料、衛生設備、飲料水、電気、住居、資産の10指標から構成されます。2025年の報告では、世界に11億人(18.3%)の多次元的貧困人口が存在し、そのうち51%が子どもであることが明らかになりました。特に注目すべきは、多次元的貧困にある人々の83.5%が農村地域に居住していることです。

その他の貧困の類型として、状況的貧困、世代間貧困、慢性的貧困、都市貧困、農村貧困、ワーキングプアなどがあります。状況的貧困は失業や離婚、自然災害などの特定の出来事によって一時的に生じるもので、回復力が高い傾向があります。一方、世代間貧困は2世代以上にわたって続く貧困の連鎖であり、構造的な障壁を打破するための包括的な介入が必要です。ワーキングプアは働きながらも貧困状態にある状態で、日本では特に非正規雇用の増加とともに社会問題となっています。これらの類型を理解することは、効果的な貧困対策を立案する上で不可欠です。