日本酒の特定名称酒分類は、国税庁が定めた「清酒の製法品質表示基準」に基づき、原料や製法、品質に応じて日本酒を分類したものです。1990年(平成2年)4月の施行以来、消費者保護と品質向上を目的として、日本酒業界で広く利用されています。
特定名称酒は大きく2つの系統に分かれます。一つは米、米麹、水のみを原料とする「純米酒系」で、もう一つは少量の醸造アルコールを添加できる「本醸造系」です。純米酒系は米本来の旨味とコクが特徴で、本醸造系は軽やかで香り高い味わいが特徴です。
8種類の特定名称酒は、精米歩合という基準によってさらに区分されます。精米歩合とは、玄米から外側を削った後の白米の重量の割合を示すもので、数字が小さいほど多くの部分を削っていることを意味します。例えば精米歩合50%は、玄米の半分を削って白米の芯の部分のみを使用していることを示します。これにより雑味の少ない、繊細で透明感のある酒質を実現できます。吟醸造りと呼ばれる低温で長期間発酵させる製法を用いることで、フルーティな「吟醸香」が生まれます。
この分類体系を理解することで、自分の好みに合った日本酒を選ぶ手助けとなります。米の旨味を楽しみたい方は純米酒系、軽やかな飲み口と香りを重視する方は本醸造系を選ぶとよいでしょう。また、特別な日には純米大吟醸や大吟醸を、日常の食卓には純米酒や本醸造をというように、シーンに応じて使い分けるのもおすすめです。