世界には約19万8,000の氷河が存在し、これらは地球の陸地面積の約11%を覆っています。氷河は長年にわたる雪の蓄積と圧縮によって形成され、巨大な氷と雪の塊として山脈や極地に広がっています。特に南極大陸のランバート氷河は、長さ約400km、幅約80km、厚さ約2.5kmという圧倒的な規模を誇り、宇宙からも確認できるほどの巨大さです。
氷河は地球の気候システムにおいて重要な役割を果たしています。太陽光の60〜70%を反射する高いアルベド(反射率)を持ち、地球の温度調節に貢献しています。また、世界の淡水の3分の2以上を蓄えており、飲料水、農業、産業に不可欠な資源となっています。南極のセラー氷河やサーストン島氷河、アレクサンダー島氷河などは、面積で世界最大クラスの個別氷河として知られています。
しかし、気候変動の影響により世界の氷河は急速に後退しています。2000年から2023年の間に、世界の氷河は約5%の質量を失い、2012年から2023年の融解速度は2000年から2011年の期間と比較して36%加速しました。パキスタンのビアフォ氷河やタジキスタンのフェチェンコ氷河など、ヒマラヤ・パミール地域の氷河も後退を続けており、近隣地域の水資源に深刻な影響を及ぼす可能性があります。2025年3月21日には初めて「世界氷河日」が定められ、国連は2025年を「国際氷河保護年」と宣言し、氷河保護の重要性を世界に訴えています。