概要

コーヒーの焙煎度

コーヒーの焙煎度は、生豆を加熱することで生まれる風味、香り、酸味、ボディの変化を示す分類体系です。ライトローストからダークローストまで、焙煎の進行に伴って豆の化学組成が変化し、それぞれ異なる味わいが表れます。SCA(スペシャルティコーヒー協会)のAgtronスケールを用いた標準的な分類や、ファーストクラック・セカンドクラックといった焙煎の重要な段階に基づいて定義されています。

コーヒー 焙煎 スペシャルティコーヒー SCA Agtron ライトロースト ミディアムロースト ダークロースト
コード スラッグ 名称 概要 agtronRange roastStage temperatureCelsius temperatureFahrenheit
95 very-light-roast ベリーライトロースト 最も浅い焙煎で、高い酸味と未発達な風味が特徴です。 90-95 First crack ending 196-200 385-392
85 light-roast ライトロースト(シナモンロースト) 明るい酸味と繊細な風味が特徴の浅煎りです。 80-85 Around first crack ending 200-205 392-401
75 medium-light-roast ミディアムライトロースト 酸味と甘みのバランスが良い中浅煎りです。 70-75 After first crack ending 205-210 401-410
65 medium-roast ミディアムロースト(ハイロースト) 最も人気のある焙煎度で、バランスの取れた味わいです。 60-65 Quiet period between cracks 210-219 410-426
55 medium-dark-roast ミディアムダークロースト(フルシティ) 豊かなボディと甘みが特徴の中深煎りです。 50-55 Second crack beginning 219-225 426-437
45 dark-roast ダークロースト(フレンチロースト) 力強い味わいとスモーキーな風味が特徴の深煎りです。 40-45 Second crack development 225-230 437-446
35 very-dark-roast ベリーダークロースト(イタリアンロースト) 最も深い焙煎で、炭のような風味とほぼない酸味が特徴です。 30-35 Past second crack 230-240 446-464

コーヒーの風味は、産地や品種だけでなく、焙煎の程度によって大きく変化します。生豆を加熱することで起こる化学反応、通称「マイヤード反応」や「キャラメリゼーション」により、豆の色、香り、味わいが変化していきます。スペシャルティコーヒー業界では、SCA(Specialty Coffee Association)が定めるAgtronスケールを用いて、焙煎度を客観的に分類しています。

焙煎の過程では、196度前後で「ファーストクラック」、225度前後で「セカンドクラック」という2つの重要な段階があります。ファーストクラックは豆内部の水分が蒸気となって破裂する音で、これを境にライトローストからミディアムローストへ移行します。セカンドクラックでは豆の構造がさらに崩れ、油が表面に浮き出てきます。これを超えるとダークローストの領域となります。

ライトローストは高い酸味とフルーティな風味が特徴で、エチオピアやケニアなどの高海拔産地の豆に適しています。産地の個性、いわゆる「テロワール」を最もよく感じられる焙煎度です。一方、ミディアムローストは最も人気のある焙煎度で、酸味と甘み、ボディのバランスが取れています。アメリカでは標準的な焙煎度とされ、様々な抽出方法に対応できます。ダークローストはスモーキーでビタースイートな風味が特徴で、エスプレッソやミルクベースの飲み物に最適です。

焙煎度の選び方は、好みの味わいや抽出方法によって変わります。ハンドドリップやプアオーバーではライトからミディアムが、エスプレッソではミディアムからダークが推奨されます。また、カフェイン含有量は焙煎度による差はほとんどなく、ダークローストがカフェインが多いというのは誤解です。逆にライトローストは重量あたりのカフェインがわずかに多い傾向があります。自分好みの焙煎度を見つけることで、コーヒーの楽しみ方がさらに広がります。