日本の公的年金制度は、国民年金(基礎年金)を第一層とし、厚生年金保険を第二層とする二階建て構造で構成されています。この制度は、すべての国民が老後の基本的な生活保障を受けられることを目的として設計されており、20歳以上60歳未満の国内居住者は原則として加入義務があります。
国民年金は自営業者、学生、無職者、パートタイム労働者などが第1号被保険者として加入し、2025年度の月額保険料は17,510円に設定されています。一方、会社員や公務員は第2号被保険者として厚生年金保険にも加入し、保険料率18.3%を事業主と折半して負担します。第2号被保険者の配偶者は第3号被保険者として保険料を納付する必要はありませんが、将来の年金額は配偶者の納付実績に応じて算定されます。
2017年8月1日に施行された法改正により、年金を受給するために必要な資格期間が25年から10年に短縮されました。この変更により、これまで年金を受給できなかった多くの人々が老齢基礎年金を受給できるようになりました。ただし、年金額は納付した期間に応じて決定されるため、10年の納付では満額の約4分の1程度となり、40年間の保険料納付で初めて満額(2025年度は年額831,696円)が受給できます。
保険料の納付が困難な場合には、所得に応じた免除制度や猶予制度を利用することが可能です。全額免除、四分之三免除、半額免除、四分之一免除の4段階があり、免除を受けた期間も将来の年金額に一定の割合で反映されます。また、60歳から65歳までの間に任意加入することで、将来の年金額を増やすこともできます。年金記録は「ねんきんネット」で簡単に確認できるため、定期的に自身の加入状況を確認し、必要に応じて手続きを行うことが重要です。