骨粗鬆症は骨の密度が低下し、骨が脆くなって骨折しやすくなる疾患です。特に高齢者に多く見られ、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折は寝たきりの原因となることもあり、予防が極めて重要です。厚生労働省のデータによると、日本の40歳以上の推定患者数は約1,590万人(男性410万人、女性1,180万人)に上り、高齢化に伴いさらに増加すると予想されています。
骨粗鬆症の予防には、まず十分なカルシウム摂取が不可欠です。カルシウムは骨の主成分であり、日本人の食事摂取基準では成人男性は750~800mg/日、成人女性は650mg/日が推奨されていますが、骨粗鬆症予防を目的とする場合は1日800mg以上の摂取が望ましいとされています。牛乳や乳製品、小魚、緑黄色野菜などに多く含まれますが、実際の日本人の平均摂取量は約522mgと不足しているため、意識的な摂取が必要です。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDも重要な役割を果たします。ビタミンDは日光浴により皮膚で合成されるほか、魚類やきのこ類、卵黄などからも摂取できます。晴れた日の正午前後に顔と手を15~20分日光に当てるだけで、体内でのビタミンD合成が促進されます。適度な運動も骨形成を促進し、骨密度の維持・向上に効果的です。特にウォーキングやジョギングなどの重力がかかる運動と、週2回以上の筋力トレーニングが推奨されます。
生活習慣の改善も骨健康に大きく関わります。喫煙や過度の飲酒は骨密度を低下させ、過度なダイエットによる低体重もリスク因子となります。骨粗鬆症は自覚症状が少ないため、閉経後の女性や65歳以上の高齢者は定期的な骨密度検査を受けることが大切です。若いうちから適切な予防策を実践することで、健康な骨を維持し、骨折リスクを大幅に減らすことができます。