ビールは、世界で最も古くから親しまれている醸造酒の一つです。大麦麦芽を主原料とし、ホップ、水、酵母を加えて発酵させるという基本製法は共通していますが、発酵方法の違いにより大きく2つの系統に分類されます。
ビールを分類する最も基本的な基準は、使用する酵母と発酵方法です。下面発酵酵母を使用し、低温で発酵させるラガーと、上面発酵酵母を使用し、比較的高温で発酵させるエールの2つが主要なカテゴリーです。この発酵方法の違いが、ビールの味わい、香り、色合いに大きな影響を与えています。
ラガーは、5度から13度程度の低温で1ヶ月以上かけて発酵・熟成されます。この低温発酵により、クリーンですっきりとした味わいが生まれます。世界中で最も広く消費されているピルスナーや、ドイツのオクトーバーフェストで提供されるメルツェンなどがこのカテゴリーに属します。一方、エールは15度から25度程度の温度で数日間発酵され、フルーティで複雑な香味が特徴です。近年人気のIPAや、伝統的なスタウト、ポーターなどがエール系のスタイルです。
さらに、エール酵母で発酵させながらラガーのように冷蔵熟成を行うケルシュのようなハイブリッドスタイルも存在します。これらの多様なスタイルは、それぞれの地域の歴史や気候、文化の中で発展してきました。ビールの種類を知ることは、世界の醸造文化を知る旅でもあります。