概要

ビールの種類

ビールは酵母の発酵方法によって大きくラガー(下面発酵)とエール(上面発酵)の2つに分類されます。さらに色合い、麦芽とホップの使用量、原産地などにより、ピルスナー、IPA、スタウト、ポーターなど多様なスタイルが発展してきました。Brewers Associationのビールスタイルガイドラインでは、エール系、ラガー系、ハイブリッド系の3大カテゴリーに分類され、それぞれに地域的起源に基づくサブカテゴリーが設けられています。

ビール クラフトビール ラガー エール 醸造 アルコール飲料
コード スラッグ 名称 概要 abvRange カテゴリ color fermentation ibuRange
L01 pilsner ピルスナー チェコ発祥の黄金色のラガービール。爽快な苦味が特徴です。 4.5-5.5% ラガー系 淡い金色〜黄金色 下面発酵 25-45
L02 marzen メルツェン ドイツのオクトーバーフェストで提供される琥珀色のラガー。 5.5-6.5% ラガー系 琥珀色〜銅色 下面発酵 20-25
L03 dunkel デュンケル ドイツの伝統的な濃色ラガー。カラメル香が特徴です。 4.5-5.6% ラガー系 濃い褐色〜黒 下面発酵 18-25
L04 bock ボック ドイツの高アルコール・濃厚なラガー。冬向けビールです。 6.3-7.2% ラガー系 濃い琥珀色〜黒 下面発酵 20-30
L05 schwarzbier シュヴァルツビア ドイツの黒ビール。見た目は黒いが後味は軽快です。 4.4-5.4% ラガー系 下面発酵 22-32
A01 ipa IPA ホップの苦味と香りが強調されたエール。クラフトビールの代表です。 6.0-7.5% エール系 金色〜琥珀色 上面発酵 40-70
A02 pale-ale ペールエール モルトとホップのバランスが良い、飲みやすいエールです。 5.0-6.0% エール系 淡い金色〜琥珀色 上面発酵 30-50
A03 stout スタウト 焙煎モルトを使用した黒ビール。コーヒーやチョコレートの香りが特徴です。 4.5-6.0% エール系 上面発酵 30-60
A04 porter ポーター イギリス発祥の濃色エール。スタウトの原型とされています。 4.0-5.4% エール系 濃い褐色〜黒 上面発酵 18-35
A05 belgian-white ベルジャンホワイト 小麦を使用した白濁のベルギービール。爽やかな香りが特徴です。 4.5-5.5% エール系 白濁・淡色 上面発酵 10-20
A06 wheat-beer ヴァイツェン ドイツの小麦ビール。バナナとクローブの香りが特徴です。 4.9-5.6% エール系 白濁・淡色〜金色 上面発酵 10-15
H01 kolsch ケルシュ ケルン地方のハイブリッドビール。エール酵母で上面発酵、ラガー製法で熟成します。 4.8-5.3% ハイブリッド系 淡い金色 上面発酵+冷蔵熟成 20-30

ビールは、世界で最も古くから親しまれている醸造酒の一つです。大麦麦芽を主原料とし、ホップ、水、酵母を加えて発酵させるという基本製法は共通していますが、発酵方法の違いにより大きく2つの系統に分類されます。

ビールを分類する最も基本的な基準は、使用する酵母と発酵方法です。下面発酵酵母を使用し、低温で発酵させるラガーと、上面発酵酵母を使用し、比較的高温で発酵させるエールの2つが主要なカテゴリーです。この発酵方法の違いが、ビールの味わい、香り、色合いに大きな影響を与えています。

ラガーは、5度から13度程度の低温で1ヶ月以上かけて発酵・熟成されます。この低温発酵により、クリーンですっきりとした味わいが生まれます。世界中で最も広く消費されているピルスナーや、ドイツのオクトーバーフェストで提供されるメルツェンなどがこのカテゴリーに属します。一方、エールは15度から25度程度の温度で数日間発酵され、フルーティで複雑な香味が特徴です。近年人気のIPAや、伝統的なスタウト、ポーターなどがエール系のスタイルです。

さらに、エール酵母で発酵させながらラガーのように冷蔵熟成を行うケルシュのようなハイブリッドスタイルも存在します。これらの多様なスタイルは、それぞれの地域の歴史や気候、文化の中で発展してきました。ビールの種類を知ることは、世界の醸造文化を知る旅でもあります。